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未来の北海道マラソン
1月1日の一面トップ記事は毎年、夢のある記事が載る。3大新聞をしのぐ地元の大新聞「北海道新聞」の一面トップは「北海道マラソン」の段階的拡大だった。次のような見出しが紙面せましと踊っていた。
「3万人疾走 世界規模に」「北海道マラソン 段階的に拡大」「制限7時間が目標」毎年夏場に行われる4時間制限の「北海道マラソン」は日本一過酷なレースである。 参加者の約半分は落伍する始末だ。
従って、参加者はせいぜい5、000人程度。7時間制限の東京マラソンの13万人と、比べてみればいかにも少ない。 ネックは「4時間以内の記録を持つ人」という出場資格である。
以前から、時間延長の要望があったが、交通規制が云々とか、理由にもならない理由で4時間のままの状態が続いてきた。 彼らが理由とする「交通規制が及ぼす影響」というのは、つきつめれば経済的問題ではないだろうか。
それならば、交通規制時間を延長した場合の経済的損失と,、時間を延長し参加者が増えた場合の経済的利益を比較検討すべきだろう。 大勢の選手と家族、知人、マラソン愛好者、観光客などの大幅増加が大きな経済的利益をもたらすことは明らかだ。
特に、これと言った産業の無い札幌市は、観光を産業の目玉にしているのに、4時間制限を延々と続けて来た本当の理由は何だろうか。 理解し難いところである。
ともかく、遅まきながら「北海道マラソン」は少しずつ時間延長の方向に走り出した。最終的には7時間目標だが、規模は5000人から3万人へと大幅拡大となる。
中島公園が世界から注目されるチャンス到来かも知れない。ところが、中島公園近所の住民としては喜んでばかりはいられない、大変な問題を含んでいるのだ。
「北海道マラソン」は「札幌まつり」「豊平川花火大会」と並んで、中島公園3大イベントの一つだが、参加者が6倍になっても、ゴール地点としてのマラソン運営ができるのだろうか。 素人考えでも無理な気がする。「幻のオリンピック」の二の舞になるのではないだろうか。
1940年に第5回冬季オリンピックを札幌で開くことが決定し中島公園でスケート競技を開催することになった。ところが、戦争の為オリンピック開催返上となった。
34年後に再び札幌で開催することを決定したが、冬季オリンピックの規模が大きくなり、中島公園開催は検討の余地さえなくなってしまった。
スケート競技の会場は真駒内に決定したのである。 それと同じような結果が目に見えている。 幻のオリンピックに続く、幻の北海道マラソンとなりかねないだろう。 ビルに囲まれている公園を広げることなど不可能である。
新年の夢は地下通路?
みんなで担ごう、新年の夢
-地下通路-
正月休み最後の日なので夢を語りたい。私の夢は言うまでもなく、中島公園の夢。「自然のある立体都市札幌」の実現である。
それは地上の施設を地下で結合し、冬も快適な都市空間を造ること。現在進行中の札幌駅・大通間地下通路。これに中島公園加えると「自然のある立体都市札幌」となる。
この計画の実現が私の夢、順を追って説明したい。単なる夢でなく、札幌が世界一の観光都市になる可能性を秘めている、ことの証明にもなると思う。
2010年、札幌駅前━大通 地下通路完成
札幌駅前と大通を結ぶ「駅前地下通路」も2010年には使用開始の予定である。
札幌の都市機能のほとんどが、冬も天候に左右されることなく利用できるようになる。札幌市民はもとより、観光客にとっても大変便利な設備だと思う。
地下街をあと700m延長すれば中島公園
この立体都市に中島公園を加えることが、新年の夢。山、川、池などの自然を加えることで、札幌がユニークな「自然のある立体都市」に生まれ変わる。
近い将来札幌駅から薄野まで地下で繋がる。あと700mほど延長すれば中島公園に到達する。
地上に出れば公園内には約1.5kmにも及ぶロードヒーティング園路がある。夏靴のまま散策できるのである。
経費の都合で、この数年ほとんど稼動していないが、観光でにぎわいをとり戻せば、その費用を負担出来るようになるだろう。
「ロードヒーティングの園路をコッ、コッと靴音をたてて歩いたときは、ホントに幸せな気分でした」
「そりゃ、贅沢だよ。一般道路でさえロードヒーティングは減らしているんだ」
「白銀の世界を軽い夏靴で、安心して歩けるんですからいいですね」
「金かかるよ。無駄遣いだよ。除雪の費用と比べてみれば分かるだろう」
「観光資源と考えたらどうでしょうか。他にこんな所ないのですから」
(経費節減の為、現在はほとんど使用されていない)
凍結した菖蒲池の向こうに藻岩山を望み、鴨々川では水鳥にも出会える。北国の都市と自然が見事に融合している姿を世界中の人に見てもらいたい。これが私の描いた新年の夢である。
夢とはいえ、700mの地下通路延長は実現可能で絵空事ではない。
ハード以上に必要になるのがソフト、即ち運営方法である。世界に類をみない河川などの自然を含めた未来都市をどう運営するか、そのノウハウが必要になって来る。
先例が無いのでじっくり検討する必要がある。 そして、利用面などのソフト面を詳細に検討すべきである。そうすれば、地下通路を中島公園まで延長するメリットが見えてくるはずだ。
これを実現するか、しないかで札幌の未来は大きく変わって来ると思う。
これからの札幌
札幌市の「広報さっぽろ」は毎年1月号で将来の札幌について語られる。これを読むのが楽しみだ。
今年は「生まれ変わる都心 創成川通、駅前通の今と
これから」がテーマになっている。どうせなら、駅前通を札幌駅-大通-薄野-中島公園-幌平橋まで通して考えてみたらどうだろうか。
「こいの街、薄野は好きですか」
「大好きだ。金があれば毎日行きたい」
「藻山橋から鴨々川沿いの柳並木も、彼方に観える藻岩山もいいですね」
「夜しか行った事ないよ。ネオンしかみえないぞ」
「夜でも鴨々川の鯉は見えますよ。街灯で照らしてます」
「その鯉か。恋の街かと思ったよ。行きずりの恋とかさぁ」
「お寺や神社の多い所です。古い商店などもあります。残して置きたいですね」
JR札幌駅から幌平橋までの区間は平行した地下街、地下鉄と相乗して観光の目玉になり得る地域と思う。
衰退気味の薄野から中島公園までの地区は、寺や神社の多い所で、外国人観光客に日本情緒を味わってもらうのに最適ではないだろうか。
テーマごとに分類して、整備する考えはどうだろうか。例えば、北部は未来の街、南部は歴史の街、中島公園は札幌の自然、幌平橋は札幌の景観とゆうふうにだ。
幌平橋・ポートランド広場は藻岩山・豊平川・市街地を、一望に見渡せる絶好の景観スポットである。
歩く楽しさは冬でも必要だが、注目すべきは雪景色の中を快適に散策できる、中島公園内のロードヒーティング園路である。 費用の関係で現在は使用停止状態だが、これは一つの観光資源と考えていいと思う。
中島公園の観光資源
観光資源としてのロードヒーティング。
万里の長城は中国歴代王朝が北方遊牧民族の侵入を防ぐために築いた巨大な城壁。浸入を防ぐという目的で造られた。
中島公園のロードヒーティングも中島公園のほぼ真ん中に位置する、札幌コンサートホール・キタラに行く為の通路に必要なものとして布設された。
ロードヒーティングは費用がかかりすぎるので、今では実用性がなくなっている。除雪の方が格段に安いし、滑るというのなら砂をまけばいい。
従って、これからはこのような施設が公園の中に造られることはないと思う。それ故に、ユニークな観光資源となり得ると考える。
「ロードヒーティングを使わないで、雪の下に眠らせて置くのはもったいないですよ」
「使えばお金がもったいないぞ!」
「夏靴で歩ける雪の無い園路を観光の目玉にして、得た収入を費用に当てればいいと思います」
「ただの道路が観光になるわけないだろう」
「水鳥の遊ぶ銀世界の中で1.5Kmに及ぶ雪の無い園路。しかも交通至便の都会のど真ん中です」
「ランニングコストが高すぎるぞ。オレだったら、そんな道路造らないぞ!」
「私だって造りません。これからは誰も造りません。だから珍しいものになって行くのです」
「造っちゃったから、観光に使えというのか」
「その通です。ピサの斜塔を事務所に使いたいですか。明治時代の戦艦三笠で戦いますか? しかし、立派に観光資源としての役目を果たしているではないですか」
中島公園は南北に直結する地下鉄駅を二つももっている。藻岩山の景観、凍結した池の上に展開する真っ白な雪原、水鳥が泳ぐ鴨々川等の自然もある。
更に、鹿鳴館より古い豊平館、最高の音を鑑賞できるコンサートホール等の国指定重要文化財や文化施設がある。
それらを結ぶのが、ロードヒーティング園路である。観光の目玉になり得ると思う。例えば東京から、そのままの服装で札幌に来ても差し支えない。
札幌市内は地下通路で結ばれている。 中島公園もロードヒーティングだから、夏靴のままで歩ける。 寒いというのなら防寒コートを貸し出せばよい。
しかし、靴はそうはいかない。 東京から履いて来た靴をそのまま使えるメリットは大きい。 これも観光の目玉になるだろう。
「生まれ変わる都心」というのなら、中島公園を含めて考えた方がよい。 近代的な都市機能だけでなく、古い街、それに自然を加える。但し、足元だけは快適に安全に。
観光というものは日常では味わえない贅沢も含めて考えた方がいいのではないか。 財政が逼迫しているならば、あるものを有効に使う姿勢も必要と思う。
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